この加工手順は推奨コネクタ Panduit Part No. MP588-C を使用して説明しますが、他社製の場合もほぼ 同様です。高周波特性の劣化を極力避けるため各ツイストペアの対をギリギリまで残し て加工します。
1. ケーブルのジャケットを約 35 mm 剥く。
2. ジャケットを剥いた部分まで中心のモノフィラメントとペア導体に介在する中空
チューブ 4 本をカットする。
3. ツイストペア根元部分の撚りを保てるよう 4 対それぞれを全長 10 mm
の細い熱収縮チューブ(公称内径:1.5mm)で固めて保護する。その後、ステップ(5)で
取り付ける中サイズの内部糊付熱収縮チューブ(全長:45mm、公称内径:9.5mm)をジャケッ
トに通しておく。
4.  収縮チューブから外に出たツイストペア部分の撚りをほぐす。次にストレート
結線の場合、白・緑・青・黄・橙・灰・透明・茶の順に並行に並べる。そして列が崩れ
ないように先端をクリップで押さえておく。
5.  ステップ(3)で先に通しておいた内部糊付熱収縮チューブをドライヤーの熱で
収縮させて、ケーブルジャケットと内部コア(4 対のペア導体)を固定する。ジャケット
の端から先に熱収縮固定した細い熱収縮チューブを覆いその先端から 5 mm 位先まで
被せて熱収縮させて固定する。この時、コア側に熱をかけすぎてあまりに小さくなる
まで収縮させると丸みを帯びてコネクタ内部に挿入出来なくなるのでほどほどのところ
で止めておく。
6.  並行に並べた導体部分先端を Panduit 社の先端揃え治具(WPT-8 Wire Prep
Tool)に挿入し、先に並べた色順番で平らに固定し、治具からはみ出る部分 1 mm 位を
残して切り落とす。並行に並んだ導体部分が 11 mm あれば RJ-45 コネクタに圧接した
時にプラグ接続接点部分に完全に届く長さを確保できる。
7.  後で取り付ける編組スリーブ(SFチューブ)を固定するための大き目の内部糊付
熱収縮チューブ二つ(全長:30mm、公称内径:12.7mm)をジャケットに通しておく。
8. RJ-45 コネクタのラッチを下に見て左から 1 - 8 の順番に合わせて導体を
挿入する。この時、やや下側に押し付ける方向に挿入しプラグ接点の下まで完全に届く
まで差し込む。
9.  コネクタに挿入したケーブルが動かないように手で固定しながら Panduit 社
MPT5-8 圧接工具にコネクタ部分を所定の位置まで差込、圧接固定する。
10.  編組スリーブの片側を接続したコネクタ側から被せ先に入れた熱収縮チューブ
の内側に挿入しチューブの真中まで入れる。その後、熱収縮チューブの真中まで挿入さ
れた状態のまま指先感覚で探りながらコネクタ側にゆっくり引っ張り、先に熱収縮固定
されているチューブ端に編組スリーブ端があたるあたりで固定して、熱収縮チューブを
ドライヤの熱でしっかり固定する。
推奨編組スリーブサイズ:SFチューブ (全長: 180mm, 折径: 22mm, 最小: 12mm,
最大: 33mm)
11. 最後に編組スリーブの反対側を折り返して袋状にしてケーブル側に戻し、同
じ様に先に入れた熱収縮チューブの残りの一つの内側に挿入する。同じ様に熱収縮チュ
ーブの真中まで挿入してから指先感覚で探りながらコネクタ側にゆっくり引っ張り、先
に固定した熱収縮チューブの端に編組スリーブ端があたるあたりで固定して、その上か
らドライヤ熱で収縮させしっかり固定して作業は終わる。
完成 !
捕捉
推奨ドライヤー:局所的に熱収縮させたいので熱風開口部が細いタイプ
開口部が広いと編組スリーブが一緒に溶けてしまい易い。